お便り/10月号の未掲載分
泣きっ面に蜂
ジミー狩野(牧男)84歳 カナダ・トロント
迂闊だった。ベッドから起き上がろうとして思いっきり腰を捻ってしまった。それは隔離要請が解除された直後だった。 私の腰痛はクセになったのかたまにぶり返す。 7月末に「愛読者の集い」にカナダからオンラインで登場させていただいた数日後、ワイフは高熱でダウンしてしまった。検査の結果、運悪くそれはコロナ陽性で感染が確認された。 即刻、夫婦共々約10日間の隔離要請を強いられてしまった。 モミジ・レジデンスではコロナ患者が急増していたのだ。 心に油断があった。 隔離を解除されて気持ちが多少浮かれ気味だったのか、坐骨神経痛はギックリ腰のようでまったく泣きっ面に蜂だった。 しかし、モミジ・レジデンスに入居し4年目になるが、近頃、モミジでコロナや怪我、病気になってもなぜか心強い。それは医療スタッフとパーソナル・サポートのサービスが充実しているせいかも知れない。 今回も医療スタッフやサポートサービスのスタッフの皆さんには大変お世話になった。 彼らモミジのスタッフは、 熟練した専門家で特別に訓練を受けた人たちで構成され、献身的なケア チームを編成し、いつも私たち高齢者の日常生活を支援してくれている。 このようにモミジ・レジデンスでは、医療スタッフの外、約42名のサポート・サービス・スタッフが、休日、祝日を含め、1日24時間、週7日間、私たち入居者たちを見守ってヘルプしてくれている。心強い限りだ。 現在、モミジ・レジデンスには100歳以上の入居者が10名おり、最高齢者は105歳だそうだ。 平均年齢も89. 35 歳で入居者数は145名という。 とくに、パーソナル・サービスでは高齢者のために入浴のヘルプ、部屋の掃除、洗濯などを無料でしてくれる。 私たちもゴミ捨てや部屋の掃除などをしてもらっている。 ところで、毎月配られるイベント・カレンダーを見ると毎日びっしりとスケジュールが組まれている。 月曜日から金曜日までの午前中は必ずラジオ体操や腰掛け体操、転倒防止運動などがあり、5〜6名のインストラクターが指導してくれる。そして、その後でお茶の時間があり、モミジ・カフェ(軽食付き)とモミジ・喫茶があり、親しいお友達と話に華が咲く。その他、毎月必ず行われる誕生会、ビンゴやゲーム大会、踊りの会、歌の会、絵画教室、その他たくさんある。また、恒例のショータイムやお茶会にはステージショーがあり、とくに9月の楽しみはモミジ敬老会がある。 これには多数のゲスト出演も予定されている。 これらはみなボランティアのみなさんで運営されている。 楽しみが満載だ。 しかし、今回の腰痛では老いて行く我が身をいやと言うほど思い知らされた。何事も年相応ということを常に考えるべきだ。若い頃に出来たことが、確実に出来なくなって行くという現実を忘れてはなるまい。モミジでの生活をいつまでも元気に楽しく過ごして行きたい。