お便り/1月号の未掲載分

世界一有名なクマのお話し

ジミー 狩野(牧男)  84歳 カナダ・トロント

 世界中で一番有名なクマをご存知でしょうか? 「クマの …… 」と言えば「プーさん!」と誰もが答えられると思いますが・・・ きっと皆さんも一度はご覧になったことがあるかと思います。 あの「クマのプーさん」です。
  この物語が誕生したのは、今から96年前の1926年のことです。 今では子供達のアイドルとして世界中でみんなから愛されていますよねぇ。 ところで、「クマのプーさん」には、実際にモデルとなったクマがいたのです。 じつは、私が住んでいるカナダ・オンタリオ州トロントの北部にホワイトリバーと言う町があります。 この町は「クマのプーさん」の故郷として、カナダでは大変有名です。 このお話しのモデルとなった子グマは、第一次世界大戦中の1914年8月、カナダ軍騎兵連隊のハリー・コールボーン中将が出兵のためイギリスへ向かう途中、カナダ・オンタリオ州北部のホワイトリバーという町で、たまたまその子グマ(黒熊)を猟師から20ドルで買い取ったところからこの物語は始まります。 子グマは、コールボーン中将の故郷カナダ・マニトバ州の首都ウイニペッグ市の愛称から「ウイニー」と名付けられました。 子グマの「ウイニー」は騎兵連隊でみんなから可愛がられていました。 しかし、コールボーン中将率いる騎兵連隊はイギリスへと移動になりましたが、ウイニーもコールボーン中将によって密かにイギリスに連れて来られたのです。 そして、「ウイニー」は、騎兵連隊のマスコットとして非公式に認められました。 やがて、コールボーン中将は部隊と共にフランスへ移動しますが、彼はウイニーをロンドン動物園に預けて進軍しました。 戦後ロンドン動物園の人気者になっていたウイニーをコールボーン中将は正式に動物園に寄贈することにしました。
 さて、「くまのプーさん」(英語名は、ウイニー・ザ・プー)はロンドン動物園では大変な人気者になっていたのです。 「プーさん」の名前の由来ですが、一説では、いつもプーさんの鼻の上に止まったハエを、口先で「プー、プー、」と吹き飛ばそうとするその格好がおかしくて、いつしか「ウイニー・ザ・プー」の愛称でみんなから呼ばれるようになったそうです。 ロンドン動物園の「くまのプーさん」は、子供たちの人気ものになり、たまたま動物園に遊びに来ていたクリストファー・ロビン少年と仲良しになり、彼は持っていた自分のテディ・ベアを「プーさん」と呼ぶようになりました。 クリストファー・ロビン少年のお父さんは有名な英国の児童文学作家のA・A・ミルンです。 1925年のクリスマスに、児童作家のミルンはクリスマス用にと童話の制作を依頼されました。 その童話のキャラクターを思いついたのが、息子ロビン少年の持っていたテディ・ベアの「ウイニー」だったのです。 1926年10月14日に「クマのプーさん」の原作が完成しました。 やがてテレビの時代になり、「ウイニー・ザ・プー」のキャラクターで、イラストレーターのシェパードが絵を担当してその絵本が完成し 「くまのプーさん」がこの世に誕生したのです。 1961年になって、ウォルト・ディズニー・カンパニーは、「くまのプーさん」の物語の映画化およびその他の権利をミルンさんから買取り映画化しました。 1966年最初の映画「プーさんとはちみつ」が完成し、世界中で大変な評判になりました。 「クマのプーさん」の物語は30の言語に翻訳され、日本では石井桃子という方が「クマのプーさん」シリーズの翻訳を1933年に始めましたが、適性国の文学として戦前は絶版になりました。戦後、同じ石井桃子の訳で「熊のプーさん」が1940年に岩波書店より改めて出版されました。 ちなみに、生まれ故郷のオンタリオ州のホワイトリバーでは、毎年この日10月14日は「くまのプーさん」の誕生日のお祭りで、町中総出でパレードやその他のお祝い行事で盛り上がります。 なお、子熊を買い取った100年前のカナダ20ドルは、現在約500ドル(5万4千円ぐらい?)の価値があるそうです。

お便り/1月号の未掲載分” に対して1件のコメントがあります。

  1. 菱沼俊行 より:

    拝見させて頂きました。勉強になります。ありがとうございます。

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