お便り/8月号の未掲載分+α

老後の生き甲斐、酒、煙草の復活について

水戸秀雄 88歳 青葉区栗生

 厚生労働省の発表によると、2022年(1)日本人平均寿命は、男子81.47歳女子87.57歳、健康寿命は、男子72.68歳、女子75.38歳(2)65歳以上の死亡原因は、1位ガン、2位心臓疾患、3位老衰、とのことでした。私は現在満88歳平均寿命よりも7年も長生きしています。健康寿命は、平均より3年長い満75歳でした、内科では狭心症、外科では腰痛などで介護のお世話になり、現在は[支援2]の認定を受けて、介護の生活を送っています。高齢者の生き方については、お酒は適量、煙草はやめる、適度な運動、バランスのとれた食事、ストレスのない生活、と言われています。私はヘビースモーカーで大酒飲みでしたが、かかりつけ医の指導で煙草は20年前に、お酒は5年前にやめました。人生最大のエネルギー源であった酒、煙草をやめたストレスから生きる気力をなくして[死]を考えました。ところが最近医学博士養老孟司の著書[バカの壁]を読んで考えが変わりました。[死を考えてもどうにもなりません、酒、煙草にもメリットがあるのでやめなくても良い]と書いてありました。主治医もこの考えに賛同してくれました。これからは少しずつ酒、煙草を復活させ、余生を前向きに元気で長生きしたいと願っています。

朝ドラからの学び

中沢常夫 86歳 青葉区中山

 朝ドラ 「らんまん」から学んだことを紹介したい。牧野万太郎は、東大植物学研究室で、 日本初の植物図鑑を発刊後、婚約者寿恵子と世話役井上竹雄の3人で、 四国高知の実家、 造り酒屋「峰屋」に帰るのです。お婆ちゃんタキは、体調を悪くし床に伏していたが、孫が来たというので、床をかたずけ正装して満面の笑顔で万太郎らを迎えたのです。
 タキは万太郎の婚約者を気に入り、ひ孫を見たいという気持ちになる。そこで医者に来てもらい、 「ひ孫を見てから死にたい。それまで生きる薬を作ってくれ」と懇願。医者は手をついて頭を下げ、「作ることは出来ません」と断る。タキは「はしたないことを言って申し訳ない。人間には寿命というのもがある。気が晴れました」と謝るのです。そこで医師は、「お婆ちゃん。 ひ孫に会いたいという気持ちが何よりの薬になるのですよ」 と言った。 お婆ちゃんは、分かりましたと言って万太郎と寿恵子の結婚披露宴に取り掛かるのです。人間ただ生きるのではなく、 何か目標をもつことを教えられたところです。

QRコード

菱沼俊行 77歳 泉区将監 

※この文章は8月号に掲載されているものの原文となります。限られた紙面であるため、ほとんどのお手紙は大なり小なり削らざるを得ないのですが、原文の方が味わい深いものがたくさんあります。そういったものも、このホームページを活用してご紹介できればと思っています。

 君はいったい何者? 文字? 絵? 図形? それとも秘密の暗号? 見ただけではさっぱりわからない。しかし、君にスマホをかざすといろいろな情報が提供される。最近ではTV、新聞、雑誌、チラシ、パンフレット、食堂のメニューなどあらゆる処に登場している。
 君の存在で最近一番ビックリした事は、ある方の葬儀の会葬御礼のハガキにも君はあった。スマホをかざしてみたら、亡人の在りし日のビデオが流れだした。こんな事も可能なのかと、考え深い思いにかられた。君は偉い、あの、こねこね、くちゃくちゃした顔で、色々なものを表現してくれると時代の進歩を感じつつ、自分は付いていけるか少し不安になった。
 しかし、面白がって何でも読み取ると、大変な目に合う。過日、ある店舗のQRコードをスマホに取り入れた。ポイントが付いて買い物時にお得との事だったが、毎日のようにコマーシャルが入るようになり、うるさい、うるさい、寝ても覚めても宣伝が流れ、最後にはアンインストール(削除)。
 将来、エラー続きのマイナンバーカードに変わって人体にもQRコードが貼り付けられ、個人を識別する時代がくるのではないかと危惧している。

油断大敵

ジミー狩野(牧男) 83歳 カナダ・トロント

※こちらも8月号に掲載されているものの原文となります。

 迂闊だった。大事な歯を根本からポッキリ折ってしまった。私の歯は83歳になっても丈夫で健全なまま、生まれてから一本も欠けず全部揃っていた。ところが、骨付きのバーベキューチキンを頬張り思いっきり噛んでしまった。
 じつは、このシルバーネット2022年1月号の川柳欄でも紹介された。
 「丈夫な歯  メイド・イン・ジャパンと  ひけらかす」
 その大事な歯を一本失ってしまったから悔やまれて仕方ない。早速、歯科医に相談した。私の歯はとても丈夫で隙間がきついためブリッジは難しいが、クラウンなら入れ歯が可能だろうとのことだった。
 しかし、カナダでの歯の治療費は目の玉が飛び出るほど高額だ。訪日して日本で治療した方が安いとよく言われる。飛行機代を払ってもだ。恐る恐る治療費の予算を尋ねてみた。
 なんと諸経費を含み、入れ歯が一本で6千ドル(約65万円)ぐらいはかかるとのこと。ちなみに、ワイフは総入れ歯だったのを全部インプラントにしたばかりだった。請求書は合計でなんと2万ドル(約218万円)を超えていた。カナダでは65歳以上医療費や薬代が無料なのに、歯だけは保険が効かない。歯の治療は全額個人負担なのだ。
 じつは、2日後に「父の日」が控えていた。予定は即全部キャンセルされた。何も食べられないからだ。あまりにも高価なバーべキューチキンになってしまった。「油断大敵」とはこのことか。

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