お便り/”平均年齢「90.5歳」 ”

    私が入居しているトロント日系老齢者施設「モミジ・レジデンス」の最近の状況を訊いてみた。 1992年のモミジ開設以来居住者数は400人を超え、現在151名の入居者がおり、133 室ある部屋は満室状態だ。いつも数百名の方々が部屋の空くのを待っているそうだ。我々夫婦は80歳になったら入居できるようにと、約25年前に入居の申し込みをしておいた。入居できたのは81歳の時だ。
 ところで、この施設には100 歳を超えた方々が5名もいて平均年齢は「90.5 歳」になるそうだ。我々夫婦は今年共に83歳になるが、この施設ではまだまだ若年クラス。90歳以上の方々は未だ矍鑠(かくしゃく)としていて、100歳になってもみなさんご自分の身の回りのことは自分でやっているから驚きだ。
 この施設では自立した生活の出来る事が入居条件となっている。この施設はオンタリオ州内の同じような自立支援施設と比べ10年以上も差ができているのが「モミジの自慢」で誇りをもっている。常に65名のスタッフが入居者のお世話をしており、250名以上のボランティアスタッフが働いている。これがエンターテイメントやお食事会などがある時はボランティアの数が一挙に増える。
 ところで、モミジ入居者に杖の使用者が全体の75%もおり、歩行器使用者数40%、ただし車椅子利用者は2名だけだそうだが、足が悪い方でもとにかく元気だ。これは、毎朝行われる腰掛け体操、転倒防止運動やラジオ体操のおかげかもしれない。様々な足腰を鍛える運動が毎日午前中半強制的に行われているが、これをサボると若いお嬢様たちスタッフから電話でお呼びがかかるのだ。
 この他、ウェルネスルームには体を鍛える運動器具が備えられている。冬の期間は広い館内をグルグル歩き回るだけでもいい運動になる。
とにかく、ドクターはじめ常駐の看護師さんや医療スタッフの皆さんのおかげで健康が保たれている。
我々夫婦はこの施設に入居できて、より一層若返った気分で毎日を楽しく過ごしている。
なお、モミジ・レジデンスのサイト・アドレスを貼っておくので参考にご覧ください。

ジミー狩野(牧男)82  カナダ・トロント

モミジレジデンス - Momiji Health Care Society

モミジレジデンスはスカーボロ地区の南東部Kingston Road 3555番地に所在しています(Markham RoadとEglinton Avenueの交差点の直ぐ南)。1992年のモミジ開設以来、居住者…

(編集長のつぶやき)モミジレジデンスのことは度々お書きいただいていますが、本当に素晴らしい施設ですね。支えるボランティアの方々の頑張りにも頭が下がります。ボランティアが不足がちの日本が見習いたいところがたくさんあり、いい刺激になります。
 2月号の紙面にも掲載しましたが、こちらのクリスマス歌謡コンサートでは演歌や民謡そして日本舞踊など様々なプログラムがあり、圧巻だったのが「さんさ時雨」の日本舞踊だったそうです。とくに「仙台平(せんだいひら)」の袴姿できりりとした舞を披露された舞踊の先生とお弟子さんお二人の舞姿は、感動的で素晴らしかったとか…。仙台平というのは、袴に使う生地としては最高級品なんですよね。祖国や仙台への愛を感じます。ありがとうございます。
 また、こちらで活躍されているボランティア・グループのリーダーは、トロント宮城県人会の会長でもあるモガール(旧姓高橋)和子さん。石巻市長面(ながつら)出身の方で、東日本大震災で身内の方を亡くされ実家を津波で流されてしまったそうです。実は、妻の実家がそっち方面で、義母の親戚がたくさんいたりします。何かご縁を感じますね。